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2008/12/19

《風のガーデン》最終回

ナツユキカズラ』(あらすじ)

花々が咲き乱れるガーデンで、ルイ(黒木メイサ)の結婚式が行われた。貞美(中井貴一)は、花嫁の父としてバージンロードを歩いた感動を、妙子(伊藤蘭)への手紙にしたためる。そして、貞三(緒形拳)の勧めに従って家に戻った貞美は、ルイに懐かしい実家の部屋を案内される。貞美は「もう芝居はやめよう」とルイにほほえみかけた。貞美はルイの結婚式が本物ではないことを知っていながら、その優しさを受け止めていたと明かす。そして、修(平野勇樹)にキャンピングカーの鍵を渡すようルイに告げる。やがて、痛みが強くなり薬の量を増やしている貞美は、ほとんど眠っている状態に。
     *****

9月7日(日)東京
高林医大(内山看護部長)
(貞美)すっかりごぶさたしています。
多分連絡が取れなくて、お怒りだろうと思います。
東京で使っていた携帯電話は、過去とともに、
地下へ埋葬いたしました。
大天使ガブリエルは、まだかろうじて生きております

娘の結婚式の介添え役を演じました。父親としての資格のない僕が、そんな役をしてよいものか迷ったが、娘と親父に強引に勧められ、バージンロードを娘と歩きました。
実に全く、何と言うか雅に道化の花嫁の父でした。なぜなら、この式事態が、僕のために仕組まれた全く偽の結婚式だったからです。親父は僕がつい口走った、バージンロードを娘と歩くと言う夢を無理やり現実にうつしてしまった。
娘もタイムリミットを知っていて、それをおくびにも出さず、一世一代の花嫁の代役を最後まで演じ切りました。娘ばかりではありません。親父も、友人も、そこに来てくれた人々が見事に全員真剣でありました。
花婿はおそらく強引に口説かれたのでしょう。どこまで事情を知らされていたのか、なんとも言えない花婿のその顔は、悲痛と滑稽さが、ないまぜになって感動的ですらありました。
それらの
全てが芝居であることに、僕は最初から気づいていながら、彼らの愛情に圧倒されて、気づかぬふりをして道化を演じた。いや、僕が芝居だと気付いていたことにすでに彼らも気づいていたのかもしれません。すべてが一場の優しさごっこでした。しかし、途中からぼくは次第に本気で感動し、涙で体が震えだすのを抑えることに必死だった。
実はその朝。式に痛みが出ないように、持続的硬膜外ブロックを受けました。背中からわき腹へテープで固定したその注入器から、局所麻酔薬と麻薬が体内に流れていることを僕はもう全く忘れていました。僕は死にかけた病人ではなく、まさに幸せな花嫁の父でした。
本当に、・・・本当に、最高の時間でした。
明日から実家に帰ります。親父の勧めに従って、生まれた家で死を待つつもりです。
あなたには、これでもうお目にかかれません。長い間の小生のわがまま、不埒な愛情 おゆるしください。楽しく素晴らし思い出でした。
内山君によろしくお伝えください。
9月4日深夜      白鳥貞美

長い手紙を読み終えると師長は涙をこぼした。

キャンピングカーの中を整理し、レンタカーを返しに町へ出た。
茜の“カンパニュラの恋”が流れてきた。しばらく佇んで聞き入っていたが、にっこり笑って又歩き出した。

実家の前でルイが掃除していた。貞美を見て、「おかえりなさい」と言った。
笑顔で「ただいま」と応えた。ルイと家の中を見て歩く貞美。
おばあちゃんがいた部屋。今はおじいちゃんが書斎に使ってる。
岳の部屋。昔、父さんが使ってたんでしょう?ここを使って。・・・昔と同じにおいがする・・・
岳にあっちで、母さんと父さんに渡せと言われた、花束がすっかり枯れていた。
部屋には祖母が作った押し花が額にたくさん飾られていた。
ルイに、ポケットからキーを出して、「このキーを彼にやってくれ」「彼って?」
「忘れちゃ困るな、君の花婿だ!かなり強引に頼んだんだろう。彼の顔半分ひきつってたぞ。ルイ、お芝居はここらでもう止めようや。」と自分が知っていることを話し、ルイが貞美の病状を知っているのだろうと聞いた。ここらで元に戻そう。花婿役者への俺からのギャラだ。ルイは、父の背中に抱きついて泣いた。

9月20日(土)富良野
内山が、白鳥医院を訪ねてきた。掃除をしていた冬美が応対。近くの喫茶店で待つように言われた。そこで貞三が、応接。9月3日の朝、持続的硬膜外ブロックの器具を体につけて、一時は痛みが和らいだんですが、中頃からまた急にぶり返して、麻薬の量をかなり増やしてます。従って、今はほとんど、うつらうつらの状態ですが、時々目覚めるとバカなジョークを言って、娘や周囲を笑わそうとします。昨日は私にこんなことを言いました。
「父さん。世の中には勝つことよりも負けることのほうが難しい人生もあるんです。私は一生誘惑に負け続けました。」おかしくなかったけど、受けてやりました。

「少しだけ会うことはできないでしょうか?」
「残念ながらそれはできません。本人がもう、誰とも会わないと申しております。やつれた姿を見せたくないんでしょう。
「先生」「うん」
「私も看護師で30年近くこの仕事をやってます。少しはお役にたてると思います。
大学病院はもう、私どうでもいいのです。何か・・・そばに居てできないでしょうか?」
「内山さんとおっしゃいますか?」「はい」
「私はこんな地方の町医者で在宅医療を専門にやってます。
大病院のような進んだ材料も設備もなくいちいち検査もいたしません。
ですから、ご家族から面と向って殺人医者とののしられたこともあります。
しかし、患者さんが慣れ親しんだ場所で、家族と一緒に最後を戦うのは
患者さんが一番安心されます。そうすることで、ご家族も、愛する人の死を
納得できるんです。
芋掘りと言う言葉を御存じですか?」「いえ」
「あなたはいつもやっておられるはずだ。麻薬の使用で、便秘になった方の
尻に指を突っ込んで便を掻き出す作業を我々、芋掘りと呼んでおります。
家には訪問看護師が来ますから 孫娘つまりあいつの娘です。
ルイは自分からやらせてほしいって言いました。せがれは最初はためらいましたが、
今はうれしそうにそれを受けています。恥を申しますが、うちは、長いことバラバラでした。
でも、あいつの最期を一緒に戦うことで、家族が初めてむすばれつつあります。
ですから、他の方の・・・他の方のお手伝いはとてもありがたいですが、
お受けしたくないんです。」
「判りました。ご家族皆さんで闘ってらっしゃるんですね。
それが一番いいことですね。たしかに。判りました。余計なわがままを申しました。
貞美先生によろしくお伝えください。」涙をこらえて席を立った。

貞美は、朦朧とする意識の中で、二神が呼びにきていた。
一緒に行こうぜ。・・手の距離がなくなった。
「お父さん。読解たいの?西日がまぶしくない?カーテン閉めよう」
「いやそのままにしといてくれ」なぜか、最後の方は、視野もせまくなるようで、カーテンが嫌いですね。
「ルイ、夕日が俺の顔に当たってるだろう。こういうのなんて言うか知ってるか?
夕日ノガンマン!」

カテーテルの入口を消毒するために体の向きを変えられた貞美。初めてたくさんの花に囲まれていることに気づいた。
「この花なんていうんだい?」「ナツユキイイカズラ」
居間の押し花はまだあるのかと聞かれ、祖母が祖父から特製の押し花器を送られて大喜びで作っていたから、まだたくさん、整理していないものあると答えた。
カンパニュラもあるか?」「うん、ラクチフローラと、ウエディングベル」
「いつでもいいから、それを額装して、ある人の所に届けてくれ。」
「うん、急ぐ?」
急がない、俺がいなくなった後でいい。そしてその時ついでに、俺が死んだことをその人に伝えてくれ。」

父子の会話。ルイの時、そして貞三との時。
家庭っていいですね。ふと思い出したんです、中学の時僕が駄々こねて、この部屋にテレビ入れてくれって、強引にテレビ買ってもらって。初めてこの部屋で、ひとりでテレビ見た。
ドリフターズの全員集合だった。一人でげらげら笑いながら見ていて、突然、ふっとさびしくなったんです。不思議な強烈な寂しさだった。誰も一緒に笑ってくれない。笑ってくれるものが一緒にいない。情けない話ですが、泣いたんです。そんとき僕は、みんながいる居間にすっ飛んでって、もうテレビなんかいらないって言おうと思った。思えばそれが僕が自分から家庭を捨てた日だった。
この前ルイと岳から、はだしになろうって言われましてね、ガーデンで、みんなで歩いたんです。芝の上をはだしで。あいつらの手の温かさ柔らかさ、気づいたら涙があふれ出していた。俺は何も知らなかったんです。何も知らずにあいつらに、何もしてやれなかった。」
「過去形で言うのはまだ早いよ。これから君は最後の戦いを、戦う姿を見せてあいつらに勇気を教えてやるんんだ。岳には見せられんがルイには見せてやれ。」

「父さん、あなたは偉い人ですね。」
「俺が偉いか?」
実を言うと僕は一時、内科医や外科医に対して変なコンプレックスを持っていた時期があるんです。僕らは病気をなおしてるわけじゃない。ただ病人の痛みを和らげるそれだけのことしかしてないんだって・・・だけど今、僕は麻酔科医の仕事を初めて正しかったと言える。医学は。。病気を治すためだけのことじゃない。あらゆる意味での苦しみを除くこと・・・」
「大丈夫か?もうあんまりしゃべるな。」
「父さん。死後の世界ってあると思いますか?」
わからんな。でも最近どうもあるように思えてきた。」
「僕もあるように、思えます。」
「もうしゃべるな。」
「そうだ、ルイ。もしも次の世がホントにあって、首尾よく俺がそこへ行けたらな、あっちから君にサインを送るよ。何か君たちに・・・(うめき声)父さん、麻薬の量増やしてください。」
「ルイ。本物のガブリエルさんに向こうであったらな、父さんまず一言、「あの世」・・・」

貞三が大丈夫です、もう眠りました。これからです。父さんの最期の闘いを一緒になって闘いましょう!

岳は、切り戻しをしていた。そこへ声掛けして岳は呼ばれた。
「もうナツユキカズラは終わりですか?ナツユキカズラの花言葉は?」
「『今年の冬に降るはずの雪』です。」風がガーデンを駆け抜けた。岳はそれを追ってガブさんと叫んでいた。貞美が最後のお別れを言いに行ったのでしょう。

2008年10月1日
白鳥貞美 永眠。

風花が舞、富良野は雪化粧した。ガーデンも雪で覆われた。

12月23日(火)
こだま理容室で、シャンプーされながら、生前葬のことを話すエリカ。類の結婚式のシナリオを書きましたね、でもあれはばれていたと楽しそうに話す二人。もう49日が終わっていた。

札幌に出てきたルイは、茜に会った。チャペルコンサートが札幌であると知ったルイが、父との約束通り茜に届け物をした。茜が何度も携帯に掛けたがつながらなかったと言ったとき、「父は死にました。膵臓癌でした。父が生前、自分が死んだ後でこれをあなたに渡してほしいって。開けて見る茜。カンパニュラ・プンクタータ・ウエディングベル。「カンパニュラの恋」がヒットしたことを父はとても喜んでいました。父は最期まで明るくて年中私たちをわらわせてくれました。父の形見として貰ってあげてください。」静かに涙を流す茜。

雪解け。ルイが岳と手入れ用の土を運んできた。車から下ろす岳に、子犬が見えた。あとを追うと、ちょうど貞美のキャンピングカーの止まっていたあたりまできた。一面がエゾエンゴサクの群生で、青い花が絨毯のように咲いていた。息をのむルイ。車のあった所だけ茶色いままだった。
木の陰にガブさんが佇んでいそうです。

こんな形でしか分かり合えなかった親子。でも、それがどうであれ、貞身は安らかに召されたのですから、父親の力、子供の力は感嘆するところがあります。
最後まで演じた緒方さんに乾杯。素晴らしい父親像でした。



*****
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