《魔王》＃０７

『偽りの姉弟…優しい嘘が死を招く』（あらすじ）

領(大野智)の正体を知った池畑(六平直政)が、倉庫で転落死する。池畑のポケットに入っていた赤い封筒とタロットカードを確認した直人(生田斗真)は"雨野真実"の仕業に違いないと、悔しさを隠しきれない。そのころ栄作(石坂浩二)は、池畑との裏取引の報告を待っていた。そこへ現れた直人は、池畑を襲わせたのかと詰め寄るが、栄作は否定する。直人は父親である栄作を疑い、逮捕の可能性もほのめかす。やがて、池畑の死は事故として処理されることになった。納得できない直人は捜査を続け、やがて倉庫の近くで宅配便の伝票を見つける。それは池畑が死亡する直前に送った物で、あて先は「成瀬真紀子」とあった。その人物が領の姉であることが分かり、直人は真紀子(優香)が入院している病院へ向かう。

　　　　　*****
金で解決するはずが、新たな依頼で、倉庫に誘導しろと金をもらった大隅だったが、領の思惑通り、池畑は転落死した。
直人は、間に合わなかった。父親に、池畑の死を知らせ、大隅に始末させたのかと詰め寄る。池畑は、芹沢と裏取引すると直人に言った。
証言をと迫る直人に、途中で現れた領が、しかるべき手続きを取れと言った。
部外者は、黙ってくれと声を荒げる直人に、部外者はお前だと父親から言われた。

池畑の住まいは、荒らされて、記録類はすべて処分されていた。現場を見回っていた刑事が、宅配便の受取が落ちているのを見つけた。差出人は池畑。相手は成瀬の姉真紀子。

領に電話した真紀子。今日が“領”の誕生日と告げた。あわてて真紀子に面会する。そこへ直人が現れ、池畑から宅配便が届いていないかと聞いた。意味を理解する領。CDの場所を示し、かけてみる直人。しかしそこには、音楽しか入っていなかった。
万事急須と覚悟した領だった。穏やかに領に話をする真紀子。
両親はいない、弟とも疎遠。私は病院。友達には楽しいことがいっぱい。私はだんだんしに近づいている。でもこの１０年、私にはあなたがいた。あなたが持ってきてくれる花がいい香りをさせると、温かい気持ちになり、もっと生きていたいと思った。こんな幸せな時間がある。私には領が居るんだと思っただけで、もっと生きたいと思った。あなたは私の希望だと思った。
「ごめん、ずっと・・」＜、「ずっと前からわかっていた。あなたがずっとわかっていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　精一杯領でいてくれようとした。」

池畑から送ってきたCDを渡す真紀子。あなたが、何をしたいのか聞かない。信じているからと、。　　泣かされました。この優しさが、次の殺人を呼ぶんですよね。

帰り道領を待つ直人。池畑がどうしてこれを渡したのか？
領は、もう姉には、近づくなと言った。

直人の兄夫婦が食事をしていると、宗田が現れた。
妻と葛西との不倫。それでも、信じる兄。
宗田の出現に驚く麻里。用事ができたと葛西を呼び出し家に送らせようとするが、私は夫の優しさに甘えていただけで、今の生活を捨てようとは思わないと、言われた。
葛西が部屋に戻ると、宗田がビールを飲んでいた。くそ真面目のお前が不倫かと笑われた。脅迫されたが、葛西は、ビール瓶を持って殴りかかった。顔と違う場所を叩き、「今度彼女に近づいたら、殺すぞ」と、脅した。

直人は、兄に呼ばれた。父が、裏取引をしたのではなく、息子の事件にかかわる殺人が起きていることをマスコミにリークすると脅迫されたが、金を渡す場所に現れなかったと、父を弁護した。息子に疑われる父親の切なさを兄は弟に説いた。
そんな兄にも、葛西と麻里の証拠写真が送られていた。

領が事務所に戻ると、隣の部屋で気配がした。ドアわあけると、事務官たちがクラッカーうを一斉に鳴らして、「お誕生日おめでとうございます」とささやかなパーティーが始まった。
しおりは、店の先輩に背中を押されて、領に会いにきた。一緒にクッキーを持って参加。帰り道、姉の存在と、やさしい領を“天使の弁護士”と言われて、僕は天使じゃないと言った。そのまま帰ろうとする領の腕をつかんだ。「私じゃ、成瀬さんの天使になれませんか？」と聞いた。抱きしめる領に苦悩の涙が頬を濡らした。

芹沢家の崩壊。お互いを理解し合うには、もっと時間が必要だし、第三者もいりますね。
誰かに殺されるより先に、心臓発作を起こしそうな芹沢父。
走ってばかりの直人も、立ち止まって考えをまとめなくては、いつも領に先を越されるでしょう。池畑の調べを踏襲すれば、すぐに犯人がわかるのに！と、かなりイライラした回でした。魔王様の涙も、多弁でした。

写真は＜地獄の門＞ロダン作です。都西洋美術館の庭にどーんと立っています。

*****
今までの感想は、こちら