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2006/09/04

【DVD】ALWAYS 三丁目の夕日

冒頭から、セピア色の懐かしさが、画面いっぱいに広がる。コンピュータグラフィックと判っていても、昭和30年代、東京タワーが、半分出来ている光景は圧巻である。
都電が走り、車が走り、路地には子供たちや、野良犬がたむろしている。戦後の復興が急ピッチで始まり、地方からの集団就職が、たしか特別列車を仕立てて、東京や、その他の大都会を目指していた頃。若年労働者が金の卵ともてはやされた時期。

最近では中学を出てすぐに働かねばならない人たちが、需要が無いために働けないのは、社会がおかしいですね。
鈴木オートに列車で職安の先導できた六子が、履歴書に、自転車の修理が出来ると書いたばかりに、自動車整備工場に就職しなければならず夕日町三丁目の住人との濃密な接触を体験していきます。

主軸は、駄菓子屋茶川の店主と、無理に預けられた淳之助の離れがたい交流。血はつながっていなくとも、経済的には、食べるのがやっとの時期の住民の生活と、にもかかわらず、テレビ、冷蔵庫と電化製品が増えていく鈴木オート。庶民の暮らしは楽ではなかったけれど、互いに相手を思いやる心がたっぷりあるんですね。早くに働きに出なければならなくなった娘を思い、郷里心が着くと可哀想だからと、返信を出さないために、娘は、帰郷をためらってしまう。鈴木オートに母親からの手紙が毎月届き、娘には見せてくれるなと書かれているのを、束で持ってきた奥さん。読みながら涙が止まらない六子。泣かせてもらいました。茶川と淳之介の交流も良かったです。母に捨てられた淳之介を、探偵に捜させた実父が、迎えに来たとき、金持ちだからと、血のつながりがあるから良かれと思って手放す茶川が、帰宅してやるせない気持ちを部屋を破壊することでかろうじて保ったとき、淳之介の手紙が目に入ります。この文面でももらい泣きし、慌てて追いかけて途中で転び、やっと起き上がったところに淳之介が戻ってくる所が、大泣きでした。
平成に変わって、なにが、日本人を変えてしまったのか?生活の格差は進み、豊かさだけでは量れなくなったのに、仕合わせ感が、少ないのです。
あまりに望むことが多くて、他人への気遣いが出来ない人が多くなっています。権利を主張するのは決していけないことではありませんが、一歩下がって、見てみると、言わないで済むことが沢山あります。失われた時代の失われた日本人の奥ゆかしさを感じさせてくれる、秀作でした。

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コメント

★cyazさん、こんばんは。

TB&コメントありがとうございます。

>当たり前のことを当たり前のように出来ない時代、人が精神的に不器用になったんでしょうか?

ビタミンI(愛)のふりかけが不足し、もやしのような親が、もやしのような子供を育てているのかもしれません。褒めて育てるのが良いといわれて、そう、育った子供は、社会に出て、上司や、同僚からバッシングを受けると、跳ね返せなくなったりしますね。打たれ強い子が、少なくなっています。大丈夫なのでしょうか?

★アンナさん、こんばんは。
凄いですね、5回も!

>豊かになった代わりに、大切なものを忘れているような気がしてならない今の世の中。

モノが溢れて、お金さえ出せば、すぐに手に入ると言う事は豊かさとは違うような気がします。子供にお金を渡せば、シアワセまで買えると思っている親が多くなって、または、お金をくれる親が物分りの良い親だと思っている子供が多くなり、大事な事が見えなくなってきている危機感があるのではないでしょうか?

mariさん こんにちは^^
TB&コメントありがとうございましたm( )m

こんな時代があったのだと懐古するより、少しでも人としてもう一度足元を見直してみるべきだと強く思った作品でした。 当たり前のことを当たり前のように出来ない時代、人が精神的に不器用になったんでしょうか? と、毎日東京タワーを眺めながら考えています(笑)

mariさん こんにちは!

いい映画だよね。
私は昨年、映画館に5回も行ってしまいました(苦笑)
豊かになった代わりに、大切なものを忘れているような気がしてならない今の世の中。
舞台になった33年は、携帯もパソコンもない時代だったけど、人と人との結びつきがあって思いやりがあって本当に素敵だよね。
この映画を見終わった後、自分が優しい気持ちになって家路についたのを思い出しました。ホント、素晴らしい作品ですよね。

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